うっかり子作り

※明の産んだ子ヤギたちと一緒に自分たちの小さな惑星で暮らしている斧明夫婦の話。R-18。細かいことは全部忘れてください。

 外から帰ってくると、子どもたちは眠っていて、嫁の姿が見当たらなかった。無人の居間で水を飲んだ。汗をかいた体のにおいがきつく、まず風呂に入りたいと思っていたが、それよりも先に家族の顔が見たかった。
 電気の消された薄暗い子供部屋で、ベッドの上でひとところに寄り集まって眠る子どもらの頭を順番に撫でた。子ヤギたちのやわらかい腹が、呼吸に合わせてゆっくりと上下する。頬をくすぐると、上の子が小さく鳴いた。思わず兜の下で口もとを緩めた。部屋の中は乳の匂いがする。よく眠っている。
 子供部屋を出た後はまっすぐ夫婦の寝室へと向かった。廊下の窓が半分ほど開いていた。外の光が家の中まで射し込んでいる。
 窓の外に広がる無数の星々の光が、庭を、そのずっと向こうに広がる広大な土地を照らし、自分が先ほどまで作業をしていた場所を教えている。開いた窓から入り込んでくる風は涼しかった。黒く深い夜空は穏やかだった。ケイロンの弓が赤い蠍座を狙っているのが見えた。片手で窓を閉めた。

 寝室の襖を開けると、そこには布団の上で寝息を立てる嫁がいた。最初にどう眠りについたのか、並べて敷いた二組の布団をどちらも占領するような体の向きで、布団をかけもせずに腹を出し、天下泰平な寝顔をさらしている。腹どころか、下半身もほとんど露出している。上はティーシャツ、下は下着を身につけているだけで、トランクスからのぞく脚の付け根が兜越しにも白かった。
 布団の横に膝を突き、静かにシーツに手を滑らせた。ひんやりとした手ざわりに、ゆっくりと息を吸った。嫁の黒髪の隙間から閉じたまぶたが見えた。前髪がいくらか伸びている。それぐらいの長さだと、まるで高校生のようだ。とうに子どももいるというのに。
 軽いいびきをもらし、寝返りをうった嫁の太ももの内側が布団にこすれる。
 胸に溜めた息を、今度は緩やかに吐き出した。一日中日にあたり、焼ける皮膚に汗を浮かべ、果樹を相手に一人きりで動かし続けた体には、無性にその肌が恋しかった。風呂に入る時間がもったいなかった。

 明が目を覚ましたのは、こちらが完全に勃ちきって少し経った後だった。一瞬、なにが起こっているのか、なにをされているのかわからない様子で、背後にいる私に手を回してきた。その手に構わず、閉じた両脚のあいだ目がけて、後ろからふたたび性器を突き入れた。明の口から声がもれ出た。肉のついた腿の隙間はあたたかいを通り越して熱い。
 尻のすぐ下に埋めた陰茎で、相手の性器を狙うように腰を深くする。ぬちゅ、と濡れた音が立つ。

「な、何やってんだ…っ…、バカっ…」

 すでにこちらの先走りでぬるついた股間を、そのまま幾度も前後にこすった。体の下から嬌声がこぼれ、揺れに合わせてその声が途切れる。兜を脱いで息がしやすくなった口で、相手のうなじに吸いついた。後ろ髪を舌でかき分け、生え際のあたりをきつく吸うと、明の両脚がきつく閉じられるのがわかった。

「ああ…っ、ぁっ…ばか…ッ」

 腰を揺すってやると、逃げ出そうとするので、体重をかけて布団に押さえつけた。圧倒的な体格差があろうとも、気に入らなければめげずに立ち向かうのが目の前の男だ。押さえつける手に力を入れ、性器を抜き差しするスピードを速めた。肉がぶつかる音と、ねばりけのある音が室内に響き渡る。そこに互いの荒い息づかいが重なる。

「あっ、っあ、あッ…、ひ…っ」

 目を覚ます前からこすられていた場所が敏感になっているのだろう、露出した肌すべてをうっすらと染めて、明は快感に身を震わせている。後ろから見た耳は真っ赤だった。
 前後に動かす腰に合わせて、相手の体も同じリズムで揺れる。

「ふ、普通にッ、起こせ…って…っぅ…」
「起きんうちにと、思ってな」
「起きるに…っ…決まってんだろ…!」

 ぱん、と肉がぶつかり、相手の玉から裏筋までを一気にこすりあげる。甘い悲鳴が上がった。密着した腰を揺すり、ちゅっ、ちゅっ、と性器と性器をいやらしく擦り合わす。

「あっ、あっ…」

 相手の背中に汗が浮き始めていた。脚の間に侵入してくる雄に合わせて、かすかに腰を振っている。気持ちが良い時の嫁の癖だ。
 尻の隙間に埋まっていく赤黒い雄を欲しがり、自分から挿入しやすいようにと尻を浮かせている。体液でぬるついた隙間に突き刺してやると、ぶつけられる快感に上半身が伏した。

「おのがみっ…」

 自分の口から滴った唾液がポタポタと相手の背中に落ちた。次の子を作る予定は、しばらくない。ないが。
 じゅぽ、と擬似的な穴から性器が一瞬抜け、また挿入される。挿入されるごとに、明の尻が吸いつくようにこちらの股間に擦りつけられる。そこに執拗に突き入れる。
 甘くとろけた声に雄がますます大きくなった。硬く勃起した性器が、しかしこれでは足りないと訴える。
 唾液が滴る。

「斧神っ…もう、いいっ…」

 かすれた声が言った。

「挿れろ…!」

 抑えた声を最後まで聴いていられなかった。嫁の声も同じように限界だと伝えていた。全身が熱かった。
 抜いた性器の先端を、ひくつく尻の穴に押し当てた。慣らす余裕はなかった。

「すまん」

 久々の挿入は、火照った頭がぐらついた。思った以上に抵抗なく受け入れられた感触に、内側の肉の熱さ。求めていたかたち。

「あぁぁっ…」

 それは嫁も同じだったらしく、一気に先端が奥までぶつかった、その瞬間、明が達していた。大きく体を震わせ、奥まで入ったこちらの性器をきつく締めつける。搾りとられそうな吸いつきに、うめき声を発していた。

「っぁ、まだ…! まだっ、やら! ッ…ひあ」

 繋がったまま、明が射精し終わらないうちに相手の向きを強引に変え、正面から貫く体勢で組み敷いた。嫁の性器からは、まだ精の残りがあふれていた。後で全部舐め尽くしてやるつもりだった。体のすみずみまで舌を這わせてもいい。そのことを考えると、喉が渇く。それ以上に血が沸く。
 今自分の体の下で、顔を真っ赤にし、快感に涙を浮かべて唇を震わせている、これが、俺の嫁だ。その事実に気が変になりそうだった。

「許せ」

 自分の声がかすれていた。

「辛抱できん」


「あっ、あッ、あッ…」

 下から突き上げられるごとに、強すぎる快感に頭が痺れて、下腹がどうしようもなく甘くうずく。たっぷりと中に出された精子が内側を満たしていて、陰茎が抜き差しされるごとに、じゅぷ、じゅぽっ、と聞くに堪えない音を立てる。どれほど中に出されたかわからない。それなのに、まだ目の前の男の子種が欲しいと全身が叫んでいる。
 本能が訴えるままに男に合わせて腰を揺すると、唇にしゃぶりつかれた。キスとも呼べない、噛みつきあいに等しい勢いで、互いの口内を貪る。巨大な舌が口の中をいっぱいに埋め尽くし、唾液が口の端からあふれてあごを伝った。
 男の手が腰に回される。繋がったところのすぐ上、尻の割れ目をなぞられ、背中がぞくぞくした。思わず男の大きすぎる性器を締めつける。
 縦に割れた巨大な口から、低い声がもれる。

「まだ、締めるか」
「仕方ねぇ…だろ…っ…ンっ…あっ…!」

 先端で小刻みに奥を突かれて、たまらずのけ反った。どちゅっ、ちゅっ、と行き止まりにしつこく亀頭がぶつけられ、あまりの快感に視界がチカチカする。たまらず腰が浮いた。

「だめっ…奥ッ…もう、突くなぁ…っ」
「好きの、間違いだろう」
「奥…きついんだって…っ」

 激しく責める男の性器に、こらえきれずに身をよじった。とろけた体はうまく言うことをきいてくれない。抵抗しようにも、それによってこすれる肉さえも気持ちがよくて、生理的な涙と唾液が目と口から滴る。

「…久しぶりだ。しっかり、味わわせてくれ」

 耳元で囁かれる斧神の声に、目をぎゅっとつむった。すぐそばで、嗅ぎ慣れたこの男の体臭がした。きっと風呂に入らないまま、この部屋に戻ってきたのだ。普段なら、先に入るはずなのに。吐き出した自分の息は燃えるように熱かった。
 俺は、この声も、このにおいも、好きでたまらない。

「…っちびが…起きるから…」

 締めつけた陰茎のかたちがわかる。これが欲しくて、たまらなくて、でも自分の指じゃいつも足りなくて。奥まで突いてほしくて、結局子作りが止まらなくなってしまう。

「頼む…」

 口を開けた。粘ついた口内で、舌と上あごの間で糸を引いているのがわかった。俺の意図を読み取った男は、ものも言わず、ふたたびそこに噛みついた。
 噛みついたまま、獣の律動を再開させた。

「んっ、んッ……」

「一人でしてるだろう」

 背後から聞こえた言葉に、恥ずかしいという気持ちよりも、やっぱりバレたか、と笑いが出た。湯の中で振り向き、男の両脚のあいだから相手を見上げた。子どもたち全員と入っても広い浴槽でも、この大男と入れば湯がなくなるほどに狭くなる。
 中心の一つ目が俺を見下ろしている。浴槽に全身を預け、気だるげにしているが、声は意外としっかりしていた。

「…指だけ」
「どうりで」
「だってさ、お前…」

 あんなところまでいったら、挿れずに済まそうなんて方が、無理だ。その言葉を飲み込んだ。手を浴槽のふちに置き、前かがみになった。男もつられて俺の視線の先を見る。
 湯の中に白っぽい液体が流れ出していた。
 顔が赤くならないよう努めたが、こればっかりはコントロールできない。

「まだ残っていたか」
「……出し過ぎなんだよ」

 裂け目から低い笑い声があふれた。伸ばされた太い指が下から尻の割れ目をくすぐった。

2018.8.18

子ヤギだくさん幸せ家族計画。

ポケコロやってる時に斧明の暮らす惑星妄想がむちゃくちゃ捗っていた産物です。