エンドレスサマーバケーション

※注意
・斧明が無人島に流されている
・Rー18
・腐向け
・キャラ崩壊
・腐女子の捏造
・キャラクター立ち位置の崩壊
・無人島ファンタジー
・なんでも許せる方向け
・明が受けであればなんでもいい方向け

上記にご了承いただけた方はぜひ無人島へレッツゴースクロール

 どうやら無人島に流されてしまったようで、小一時間ほど波のそばでぼうっとしていた。数えるのも無意味だ。何しろ時計がないのだから。

 とりあえず食べられるものを探すことにしたが、歩いている間に、山羊が落ちているのを見つけた。生きた山羊のことではない。残念ながら、食い物のかわりにはならない。
 白く細かい砂にまみれた黒山羊の頭は波打ち際でこちらを見ていた。持ち主がここに流れ着いているのかと思うと、手ぶらでいることが強く不安に思われた。しかし、何しろ無人島である。無人島、のように見える。山羊の頭の角の部分を掴み、浜辺を離れて島の中心へと向かった。持ち主も流れ着いていれば、たとえ殺し合えども、少なくとも話し相手にはなるはずである。

 歩けども歩けども、人の姿は見当たらない。樹木の葉の間から照りつける日差しが海水で剥けた皮膚を焼いた。おそらくあちこちを岩にぶつけてできた傷がいくつもあった。その中に入り込んだ洗い流せないほどの微粒の砂つぶが痛みを作っていた。目を奪われるようなあやしげな花が咲いている。道がないから、草を踏み分けて歩き続ける。
 虫や、鳥や、何だかいろんなものの鳴き声があたりを埋め尽くしていて、そのなかに人の声が聞こえないかどうか耳をすませてみるも、聞こえたような気もするし、しない気もする。やはりここは無人島。
 山羊をお供に、宮本家の次男はふるさとから遠く離れた、南国のジャングルを進む。

 行くあてがあるわけでもないので、寄り道という概念もそこにはない。
 途中で口にした果物がえらく甘かった。南国の果実は、渇いた喉にへばりつくような甘さがある。明は自分が空腹であることを思い出す。
 かたい果皮を力まかせに剥き、果肉をかじる。かじった先から溢れる果汁を舌ですくい取り、またかぶりつく。夢中になって食べていたら、背後からの気配に気づくのが遅れた。

「いいものを食っているな」

 振り向いた。振り向く前に声で相手を予想していた。
 隣に来た大男も、同じように木になっている果物をむしり取る。

「やっぱり無人島なのか?」

 果皮を器用に剥く男を横目に見つつ、べたついた手をズボンになすりつけて拭った。答えることはせず、男は笑った。縦に割れた巨大な口の中に果肉が放り込まれる。
 口の中で噛み砕かれる果肉を眺めた。分厚い舌が海の中の生き物みたくうごめく。

「広い島だ」
「生き物はいるんだろうか」
「さあな。わからん。ひと通り見て回ったが」

 斧神を見た。

「人の住んだ形跡はない」
「絶望的だな」
「まあ、いい。そんなものだ」

 斧神が言った。
 男がいつも通りだったため、明は何だか、拍子抜けした気分だった。深刻な状況だと思われていたが、不思議と大したことではないように思えてくる。もちろん、これは気のせいである。
 事態は深刻である。

 しかし、このことは今の問題ではなかった。
 斧神は血を飲みたかった。斧神は明よりも一日早く、この島に流れ着いていた。この一日でずいぶんと体力を消耗していた。いくら混血種といえど、陸の生き物だから海を漂流する体のつくりはしていない。斧神は疲れていた。南国の果実で飢えはしのげても、薬は補えない。人間の血が欲しい。
 斧神は人間の血が欲しかった。
 人間の血を思う存分すすりたかった。
 これが、今の斧神にとってのごまかしようのない、ただ一つの問題だった。

 斧神は決断の早い男だ。樹々の向こうに見知った男の顔を見つけた瞬間に、もう決めていた。人間がいない島でも、生き延びる術はあった。当座をしのげれば、今のところは構わない。
 斧神は迷わなかった。油断しきった相手の意識がそれたタイミングで、後ろから羽交い締めにした。暴れる隙も与えず、素早く、相手の首筋を確かめた。
 明が怒鳴った。
 岩でぶつけた傷口が斧神の嗅覚を刺激した。たまらなかった。
 潮の香りのする肌は疲弊した頭をおかしくさせた。

 相手の体を押さえつけ、しばらく無我夢中で血を吸っていると、興奮が強まってきた。斧神は勃起していた。口内に広がる血の味は、これまで口にしたどの人間の血よりも、みずみずしく、濃く、美味かった。一口で終わらせる気ははじめからなかった。
 吸血に涙を流す明は、後ろから押しつけられる硬いものに、子どもがぐずるような声をあげた。そんな声しか出せなかった。一層強く血を吸われれば、体の奥がビリビリと痺れて、失禁したばかりの股間が疼いた。癖で震える右手が刀を探した。力の入らない指先はむなしく地面をかくだけであった。
 血を吸いながら、斧神は腰をこすりつけている。

 血を吸い尽くす前に、性的興奮が限界まで達した斧神は、明の衣服を力まかせに破り取った。相手が暴れたが、構わなかった。どうせ帰り道はないのである。
 どちらも呼吸が荒かった。血を吸われて、強制的に発情させられた明は、何をどうしたらいいのかが、全くわからなかった。わかるのは目の前の男をたたっ殺してやりたいという衝動だけだ。
 充血し、硬く膨れ上がった陰茎の先端が、明の尻に押し当てられた。そのまま、尻の間を先っぽがこすって、先走りが濡れた感触を残した。
 明は首を振った。
 体が火照って熱い。それでも何をして欲しいのかもわからない。同性に犯される気持ち悪さと嫌悪感と恐怖が、吸血による発情によって奇妙なマーブル模様を頭の中で描いた。男への信頼と友情がそこに混ざった。
 一刻も早く相手を殺すべきだと思った。
 大男の頭部中心の目が、閉じては、開いてを繰り返した。欲情で性器がこれ以上ないほど硬さを増した。

「斧神…!」

 斧神が唸った。
 抱えられた両腿の間に、吸血鬼の陰茎が突き刺さり、奥まで一気にもぐりこんだ。
 明が身をよじらせた。
 かすれた声は斧神にしか聞こえなかった。
 太い陰茎が抜かれかけ、また突き入れられる。玉袋から竿にかけてを、大きさの違う陰茎が一気にこすりあげた。明の腰が浮いた。
 こちらもとっくに勃起していた。

「ぁあっ、あっ、あっ…」

 その勢いで腰を振られると、もう駄目だった。

 背中が地面にこすれて痛む。体重をかけてのしかかる男の巨躯が、汗を垂らし、動きを止めないまま、明の両腿を明自身が出した精液でグチャグチャにした。その精が尻まで垂れた。
 獣の動きにつられて、とろけた声が明の舌の上からこぼれ落ちる。
 本能のままに斧神が腰を振ると、性器が濡れた音を立てて明の両腿を犯した。前後に揺さぶられ、激しく股間をすりあげられ、敏感になった全身が男を求めて呼んでいた。
 斧神が両腿を抱えたまま、上体を前に倒し、明の胸に顔のあたりを埋めた。荒い息を吐く口から分厚い舌が這い出て、明の乳首に触れた。
 乳を吸われながら、陰茎でしつこく股間を突かれ、明の両腕が斧神の肩にしがみついた。

「んぁあっ…ッァ…」

 快感が明の頭を使いものにならなくさせる。突かれたら、際限なく気持ち良くなってしまう。何が、どうして、こんなところで、こんなことをしているのかも、もはやわからなかった。意識が戻りかけると、斧神が何度目かの吸血をした。強制的に欲情させられ、そこに強引に雄を叩きつけられると、思考がとろけて、まともにものが考えられなくなった。
 大変に気持ちが良いのだった。

「早くこれを、挿れてやりたいが…、まあ、構わん」
「ンッ、んぁっ、あっ…あっ、やっ、」
「時間は、たっぷりある、有り余るほど」
「やらっ…やだあぁ……!」

 ひときわ強く、腰を叩きつけられ、強烈な快感に明の体がビクビクと震えた。斧神は明にしかわからないほどのかすかな笑みを浮かべた。

「じっくり、時間をかけてやる」

 どんな雌よりも、淫らで、可愛い奴だ。こんなふうであれば、種をつけたら、孕むかもしれん。試して損はない。試す時間は、いくらでもあるのだから。
 斧神はほくそ笑んだ。

 なにせここは無人島である。
 いくら不思議なことが起こっても、何らおかしくはないのである。

2017.8.12

「無人島」というワードにこめられた夢の大きさは無限大、という話だった。たぶんなんでもあるし、吸血鬼と子づくりもできるかもしれない。それが無人島イエス無人島。