※注意(2回目)
・彼岸島メンバーが無人島に流されている
・腐向け
・激しいキャラ崩壊
・腐女子の捏造
・キャラクター立ち位置の崩壊
・無人島ファンタジー
・サマーバケーションハイ
・節足動物
・節足動物
・色々遊びすぎている
・本当に色々遊びすぎている
・なんでも許せる方向け
・本当に明が受けであればなんでもいい方向け
それでは、もう一回お願いします。
走る巨大フナムシから逃げ回っていた加藤がまだ気を失い倒れていたケンの背中を踏みつけた。目を覚ましたケンが幼なじみに卍固めをくらわせている間に、フナムシはどこかの岩陰に消えてしまった。
「なんなんだよ! ここは!」
加藤が叫んだ。南国のビーチは足の裏の皮が剥がれそうなほどに熱くて、とてもじゃないが、裸足ではいられそうにない。
一行は日陰に座り、砂浜とその向こうに広がる広大な青い海を眺めた。青い。
灼熱の太陽。
フナムシがまた走ってきた。加藤が逃げた。
物事の理解が早い西山がいつものように解説してくれた。
「どうやら、俺たちは無人島に流れ着いたようだ」
「阿呆らしい」
「俺もそう思う」
「でも、本当よ。ケンちゃんが寝てる間に、歩いて回ってみたんだから」
「俺たちのほかには…」
西山が首を振った。ケンは海を見て、少しの間黙っていた。
「明は?」
西山が差し出したのは刀だった。通常の刀に比べて特に刀身が長い明の刀だ。自分たちと同じく砂にまみれてはいるが、おとなしく鞘に収まっている。
先ほどよりも長いこと、ケンは黙っていた。
「この森には入ってみたのか?」
ケンが背後のジャングルをあごで示した。
顔を上げた西山の眼鏡にはヒビが入っている。
「いや、海沿いに歩いてみただけだ。何がいるか、わからなかったもんだから」
「武器はこの刀だけか」
「なんだか、変な生き物が多くてね」
三人の視線は自然と加藤に集まる。
シャカシャカシャカシャカ…
巨大フナムシの脚がなめらかに動く!
「助けてー」
逃げ回る加藤から目をそらし、ケンはうなずいた。
色素の薄い肌が日に焼け、ユキの鼻と頬は赤く剥けている。海水がしみてヒリヒリする。
「とにかく、無人島だろうが、何だろうが知らねえ。明を探しに行く」
「その話、俺も混ぜてくれ」
浜からの声にユキが振り返る。
半生のホオジロザメの尾を手に、金剛力士像が波を蹴散らして海から上がってきた。均等に彫られた目玉が、白浜に集まる人間どもをまばたきもせずに見つめていた。
無理だった。
西山が腰を抜かした。加藤が二重の意味で絶叫し、こけた。
加藤に襲いかかるフナムシ!
「あんた、誰だ?」
「ギャアーッ」
「小僧、俺を知らんとは、呆れたやつだな」
「明に用でもあんのか」
「生意気なやつだ。用がなければいけないのか?」
「ていうかテメェ吸血鬼だろ」
「ケンちゃん! ヤバいよ! 俺がヤバい!」
金剛が腕を振りかぶって、まだ息のあったホオジロザメを加藤に馬乗りになるフナムシ目がけて投げつけた。命中した。
絶命した節足動物の下から這い出てきた加藤の着物ははだけている。
「フナムシの子供をうまされるところだった」
ひんひん泣く加藤をユキと西山が慰めている間に、ひとまず、ケンは金剛力士像と話をつけた。とりあえずは明を一緒に探しに行くことにした。手は多いほうがいいのであった。
ジャングルの奥へと向かう四人と一体の吸血鬼。秘境に咲く南国の花はあやしげな匂いを発し、通行人の寄り道を誘う。顔を近づけようとした加藤の腕を西山が慌てて引っ張る。
花はもぐもぐと空気を咀嚼する。
匂いにつられた獲物を餌としている。
島の中心部、奥深くへと進むうちに、ケンは前を歩く金剛力士像が明を見つけたいだけではないことがわかってきていた。こいつは明を殺すのだろうか。それとも、それ以外の目的でもあるんだろうか。それ以外って何だ。吸血鬼どもの考えは自分にはさっぱりだ。しかしそれと同じぐらい、あの幼なじみの考えもわからない時がある。昔はよくわかったはずなのに。わからなくなったのはつい最近のことだ。
そもそも、他人をわかった気でいること自体がおかしいのである。
この兄貴分はまだそのことに気づかないでいる。
ケンは吸血鬼の背中から目を離さずに歩いた。明は武器を持っていないはず。そうとなれば、この刀の出番であろう。
他の吸血鬼が流れ着いていないことを祈るばかりだ。
金剛は別のことを考えていた。
金剛は離れた浜に印がつけてあるのを見た。波にさらわれかけてはいたが、あれは救援を求める文字ではなかったか。
誰が書いたかはわからない。
しかし、ここにいる人間たち以外にも、誰かがいることは確かである。その印をつけたのは同じように流されたはずのあの男かもしれないし、別の誰かかもしれない。だが金剛はあれを残した者があの男で間違いないと確信している。それは同じ混血種という動物であることの奇妙なシンクロによるものかもしれない。
連れがいるのかもしれん。
その連れが誰だか、金剛はわかるような気がした。
「あっ、何かなってる!」
ユキが一点を指差した。
全員が彼女の指差す方向を見た。
視線の先の木には南国の果実が生っている。毒々しい色をしているが、ぱっと見は熟れているように映る。その木陰から姿を現した大男の足が木の下にいくつも見える熟れすぎて自然に落下した果実を踏んだ。
こちらの一行と山羊の頭をした大男、目が合ったのはほとんど同時だった。
斧神の動きは素早かった。
一行が男の名前を思い出すより早く、あっという間に逆方向に逃げた。
「斧神までいるのか…」
眩暈を起こして倒れそうになる西山を横目に見つつ、ケンは肩をすくめた。
どうもわけのわからないやつが多い。金剛力士像の野郎は山羊男を追って消えた。何処へでも行って構わないが、一体全体、明はどこにいるのか。
「まあ、なんというか、ヘンテコなやつだな」
山羊の頭。ありゃ、なんだ?
「止まらんか貴様」
混血種同士の全力疾走の追いかけっこは意外にも早く終わった。斧神には金剛の声を聞く気は一ミリもない。斧神が急に立ち止まったのは、もといた場所から連れの姿が見えなくなってしまっているせいである。
斧神のすぐ後ろで金剛が足を止めた。
「何故逃げる」
「構うな」
「逃げられたら追いたくなる」
斧神は聞いていなかった。
周囲を見回すも、姿が見えない。そう遠くまで動ける状態ではなかった。一体どこへ行った。
「あのSOSはなんだ」
「ただの罠だ」
「逃げるつもりもないのにか?」
「食い物と血が欲しい」
食べかけの果実が落ちている。どこにも行くはずがない。あれは既に自分のものであった。
同輩の落ち着きのない様子に、金剛はゆっくりと腕を組んだ。
ははあ。これは、この男。
既にやってしまっているな。
まるで嫁を盗まれた雄鶏のようではないか。
何をやってしまっているかはみなさんのご想像にお任せしよう!
ともかく、金剛が何かを察した瞬間に、斧神はジャングルの地面にある一つの目印を見つけた。
地面に屈み込み、確認をした。
二体の混血種が手のひらを覗きこんだ。
何処かへ消えた吸血鬼は放っておいて、一行は歩くうちに、西山が奇妙なものに気がついた。
「ケンちゃん」
「ン?」
「これを」
ジャングルの地面に、ピンクの花びらが落ちている。西山が見回すと、一行の進路を横切る形で花びらは向こうにもあった。一枚、一枚、落としてある。ユキの指先が花びらを摘まんだ。緑の蔓に紛れるようにしてピンク。踏み潰されそうに弱い。
どう見ても人為的なものだ。
西山とケンは顔を見合わせた。
「追うぞ」
四人が花びらを追った。
花びらはだんだんと小さくなった。ちぎられたピンクを追い追い、ほとんど一直線にジャングルを進んだ。途中で花の色がわからなくなりながら、最初は歩いて、最後のあたりは小走りになった。
誰かの足が水たまりを踏んだ。
熱帯の植物が走る体にまとわりついた。
ケンは息を切らして刀の鞘を握りしめた。
パンのかわりに花を落とす? そんなことを思いつく人間を一人知っている。
ケンは笑った。
これだから無人島ってやつは!
そして明は泉のほとりで吸血鬼の嫁にされそうになっている。別の男に衣服を駄目にされてしまったので、全裸に近い姿であった。足腰が立てば殴りかかったろうが、それも難しいために、黙っていた。胡座をかいてふて腐れていた。
雅は微笑んだ。
その黒い目に、今の状況は、どんなふうに見えているのかな?
「暑いのは苦手だが、こういうのも悪くないな」
「…こういうのって?」
雅が広げた両手で明の姿を示した。かろうじて雅の上着を膝に乗せている。
「実に解放感がある」
「皮肉か?」
「まさか」
生まれたままの姿のお前も、大変に目の毒だ。
雅はモナリザの笑みを浮かべた。
「誰が、一番早くお前を迎えに来るのだろうな」
明はちらっと雅を見上げた。シャツの襟が開いていた。
「婚礼には邪魔がつきものだ」
手の中に残らなかった花びらのかわりに、一番最後に落としたのは男の首から抜き取ったスカーフだった。
この島にはきれいな水が湧いている。
2017.8.17
きれいな水には水の生き物が集まる。きれいな水があれば人は暮らせる。
(雅明は結婚式の「ちょっと待ったァァ!」がやりたい)
(このあと商店街組とアマルガム組が同時に到達し三つ巴のとんでもない図になる(理想))